最高のソワレは池袋にある

めちゃくちゃ充実した週末を過ごしてその余韻でグレショーのSuper Wednesdayまで観ちゃってる、そんな日曜日。

 

 

というのも、THE ROB CARLTONのメイユールソワレを観劇してきました!!!

念願のロブカールトン!!
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いや、毎度のことなんだけどシアターグリーンってどこ!

もう方向音痴はどうしようもないし、方向音痴界の頂点くらいの気持ちで日々生きているけど本能的になぜか出口という出口すべてを左に曲がろうとする女。

 

なぜ

 

マップ使ってる意味あるんかこれ…

おろしたばかりのTOD’Sのローファーは左足だけが金具に圧迫されて地味に痛いし。歩けなくはないけど地味に痛い、一番いやなやつ。TOD’Sそこそこの値段するんだからもう少しフィット感どうにかしろよとキレてみたり、もしかして自分の足って左足のほうがちょっと多めに肉ついてるのかもなとかいろいろTOD’Sの名誉のために言っておくと私はジャストサイズよりちょっときつめで買って履きながらフィットさせるタイプ。TOD’S、なんだかんだ3日も履けば足に馴染むのよ)

池袋駅から徒歩8分とかのはずだったんだけど勢い良く真逆に進んでいたらしく、気がついたら30分くらいかかっちゃった。まぁでもこれはいつものこと、ぜんぜん許容範囲。

 

会場ついてチケットもぎって貰ったときに半券と一緒に同じようなチケットがもう一枚返ってきて。

 

ロブカールトンの公演に入るのが初めてだったのと、30分かかってようやくたどり着いた疲労とか尿意とかいろんなもので頭が混乱して

 

(半券と同じチケットだ…座席は1階1列か…半券のほうも1列なんだけどこれはどういう…?チケットが手元に2枚ってどういう…ん?)

 

立ち止まってるわけにもいかないし、入り口のスタッフにチケットを2枚見せて元気よく

「あの、私の座席ってどこですか!」

って聞いてしまった。ドーム行ってるオタクとは思えない行動。167席の最前くらい分かれよ。

だけどこれを見てほしい


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チェケローマート

作り込みすぎだってぇ……切り取り線まで入ってるのすごくない?

思いっきりパロ、見れば見るほどよく出来たパロなんだけど、私がこれに気がついたのって劇中だったんだよね。あわてんぼうがすぎる。

パロだと知ったうえでまじまじと眺めたのは帰りの電車の中。なんなら上演前は座席に着いてチケットを眺めながら

(これってもしかして次回公演のチケット…?今日来た人は次回無料とかのサービスってこと…?すごくない?12000円もするチケット配るなんてすごくない…?待てよ、行けるかな6月30日か…)

とかさ、もうアホじゃん。

でも遅ればせながら自分のなかでいろんな点と点を結んでいってなるほど、【メイユールソワレ】の劇中劇が【男たちの番か?】なわけか。

いや面白ぇな!!!!!?って

めちゃくちゃ興奮した。


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すべて知ってから見るこのポスター良すぎ。

メイユールソワレのポスターの横に貼ってあったんだけど、劇(メイユールソワレ)と劇中劇(男たちの番か?)が隣り合わせでちゃんと存在してるの面白いな。

ようするに、男たちの番か?という劇(劇中劇)のソワレを巡って起こるドタバタ劇を演じるのが4人の演者(上里、前河原、高潔、小林)で、それを演じるのがロブカールトンの4人の演者(村角ダイチ、満腹満、ボブ・マーサム、高阪)ってわけ。

 

説明下手かよ

マトリョーシカすぎるって!!!(?)

 

このマトリョーシカ(?)具合を心底面白がってるなと思ったのは今回のこのメイユールソワレのパンフレットなんだけど。タブロイド紙風のLOBBYというやつがあって。(これめちゃくちゃお洒落だった、バァフみたいな)

 

男たちの番か?──The original title Men´s Turn?

ロンドンの方(ロンドンではない)で上演されたMen´s Turnという演劇の日本版を、日本人キャストで上演しようというのがこの劇中劇になってるんだけど、まず"無いはずのもの"の作り込みが壮大すぎる。劇中劇の演者にフォーカスしすぎていて笑う。劇中劇の中では特に説明もなかったところ。

パンフレットにはロブカールトンはほぼ出てこなくて(ここからもう様子がおかしい)男たちの番か?を演じる4人のそれぞれの経歴が載ってる。それもめちゃくちゃ詳しく載ってる。

例えば、男たちの番か?でセオドアを演じる前河原 順(まえがわら  じゅん)

1964年生まれ

学生時代に越田ゴン、ランブル美保らと「超劇集団しびれ」を旗揚げ。

────中略

退団後は大概ドラマ「冬将軍」(´97)「髪、結えず」(´98)「菅平捨武」(´99)と3年連続主演。

────中略

劇作家として2002年に「これ、おいしいね(よしんば仇討ちか)」で第52回戯曲賞受賞。

 

"無いもの"の熱量じゃなさすぎる。そして前河原順の情報が多すぎる。ひとりずつこのボリュームで経歴が載ってる。

 

無いはずのバックボーンがすごすぎて、もはやこれはあるのでは?と錯覚してしまう。そういえばこっちは会場入りする際チケットにも騙されているわけで。この現実への細すぎるアプローチがいい意味で変態(いい意味で)、妙な世界がひろがっているからやばい。

前河原順を演じてるのはボブ・マーサムさんなんだけどボブ・マーサムさんの経歴は載ってないし、劇中劇を演じる演者のほうに生命を吹き込みまくって"無い"ものを"ある"ものとしていく。その作り込みがかなり好きだった。あと、あのタブロイド紙風パンフレットのセンス、欲しすぎるな。バァフよりかっこよかったよ。(バァフと比較すなよ)

この劇中劇の話はまだある。これ、ロンドンの方で上演されたのが世界から絶賛され日本に上陸したっていう設定だから、パンフレットにはご丁寧に、生みの親の劇作家ヴィレッジ・コーナー、演出家のエンダー・イヤー、日本語訳の太平洋子氏、という御三方の写真付き対談をデカデカと1ページにわたって掲載してるんだけど

 

そもそもそんなもんいねぇのよ、劇中劇の背景デカない!!!?

ってか、じゃあこの写真に写ってる3人は誰なんだよ…この微笑んでる3人は…

いよいよ混乱してくる。

頑なに"ロンドンの方"って言葉選びなのもめちゃくちゃ笑った(ロンドンの方はロンドンじゃねぇ、全部嘘だか全部嘘じゃない、やばい、小島健が出そう)

めちゃくちゃそれっぽい対談でめちゃくちゃそれっぽいこと喋ってるのに全部無い話なの、面白すぎるだろ。

いや、これはもう"ある"かもしれない

"ある"し、"いる"し(錯乱)

 

 

男たちの番か?の劇中劇(マチネ)があって、合間に楽屋でくつろぎながらソワレに向けて話し合いをする場面があって、いざソワレの幕が上がると……という3幕?構成かな、劇中劇じゃないときは強めの関西弁ってのがなんか西の男を感じるな(ガチネバのAぇが関西弁に戻るところ好きすぎた女)

だけどそれだってロブカールトンじゃないんだもんね、劇中劇を演じる役者の役があって、それを演じるロブカールトンがいて……まただよ、またマトリョーシカだよ……

後半にかけて嘘すぎる展開が畳み掛けるようにやってくるんだけど、息の合った掛け合いにどんどん引き込まれていくし、客席もマチネの部分を知っている分ソワレの違和感や面白さに敏感になっているから参加型っぽくなって笑い声もどんどん前のめりになってくからすごい。後半の客席の熱が本当にすごい。

あと私はボブ・マーサムさんの声が好きで。ホテルマンだったらしいと知ってめちゃくちゃ納得した。品があるし、貫禄があるし、それでいて面白いことをセリフとして言うからたまらん。

 

 

 

 

私がロブカールトンを知ったのはグレショーなんだけど

 

 

Aぇを好きになったばかりの頃、Twitterに流れてきた番組の予告。グレショー自体がまだTVerにもなかったような頃だったと思うけど、そこから今まで数ある作品の中でもかなり記憶に残っているのがロブカールトンとタッグを組んだこのSuper Wednesdayという作品で。

まず稽古場の雰囲気が異様に楽しそう、とにかく楽しそうで。グレショー史上こんなに楽しそうな稽古場ってなかったような気がするんだよな。

視聴者として、"いい部分"だけしか見ていないなりにだけど、あの稽古場の雰囲気がめちゃくちゃ好きで。終演後末澤さんが泣き、その思いが繋がっていくかのように皆が泣いてしまうという光景は今でも忘れられない。Aぇってそんなに泣くイメージがなくて(私はね)個々に涙腺がやられてるのを見ることはあっても、あんなふうに皆でってのはそうないし、なんだろう。作品なんだけど舞台裏も含めてめちゃくちゃ生徒会だったなって。シンプルに嬉しかったんだよね。オタクだから、好きな男たちが涙を流しながらロブさんと過ごした日々を楽しかったって名残惜しそうに話してるのを見て、あぁ良い時間を過ごしたんだなって思った。すごく人間くさい人達の集まりがそこにあって、私も泣けた。

そんな中でも本編Super Wednesdayは、村角ダイチさん演じる山城と高阪さん演じる山田が役者Aぇ! groupを食う勢いで。というかほぼ食っていて、これが私にハマった。ほんとうにハマった。

山城の胡散臭さ、どうしようもない面倒臭さと山田の生真面目さゆえのシュールな笑いが完全にキャラ立ちしていて、特に山城はめちゃくちゃ好きな人物だったな。何が面白いかと聞かれたらピンポイントでは言い表せないんだけど、何回観てもめっちゃウケてしまう。本当に面白いんだよ。間合いも、表情もいちいち全てにおいてツボで。山城の挙動はストレートに学生生活を送っていたらまず出せないウザさの極みなんだけど、ただこういう奴いるんだよな…まじでいるんだよ…学生時代いなかった?いるでしょうよ…

下馬評ダントツのべべから生徒会選挙当選を目指す凸凹のチームワークが、喜怒哀楽、言葉の掛け合いによってパズルのピースのようにピタッとハマっていって、Aぇとダイチさん、高阪さんによる正真正銘の青春のステージは今でも結構宝物だな。

学生時代、許してくれて、励ましてくれて、同じ目線で何でも面白がってくれた。そんな恩師の顔とロブカールトン側の雰囲気が被る被る……

後日談として、チェケローさんとの対談で正門くんが末澤さんと自分の役どころが実際の関係性とリンクしていた事に言及していたけど、そう。それもかなりある。エモいなんて言葉で片付けていいのか分からないけど、末澤さんが「エモかったっすね」って言ってたしエモかったよなうん。すえのりの衝突エピ、忘れた頃に本人たちが喋るから一生終わらないやつで口角がグニョグニョだよまったく……

 

 

やっぱり、単純に人間に思い入れを持ってしまう女だから私は。グレショーってたまに劇団の方も演者側に加わる作品があって、私はそこに思い入れがすごいんだよ。銀鉄とか、笑か師あたりもそう。軽率にアキさんのこと好きになっちゃったし。

チェケローさんが綴るブログもめちゃくちゃ愛で。

"ファンをファンを知ってファンになる"

ってタイトル、時々思い出してる、あ、でもこれもマトリョーシカみたいだな……

あとチェケローさんのブログで満腹満さんは(まんぷく  みつる)だと知った。まんぷくマンじゃなかった。

 

 

とはいうものの、興味を持ったとこまでは良かったんだけどロブカールトンは京都の劇団なのでなかなか観劇が叶わず、それでもなんとなく日々情報をチェックしていたらたまたま配信があるっていうんで観て。やっぱりそれが面白くて。軽率にオタクしててよかった~!!!!って思った。気になったら行く、観る、の鮮度。これ大事だなと改めて。

グレショーきっかけだとどうしても作品の中にAぇを探してしまうし、それはもうオタクの性だから仕方ないんだけど、ロブカールトンは初めてまた観たいと思ったんだよね。

なんか、午後のロードショーのようなちょっと昔の洋画みたいなところとか(吹き替えみのあるイケボから繰り出されるハイセンスなオモロさ)、言葉の掛け合いというシンプルを極めし者の抜群の面白さとシュールさもあり、だけどやっぱりナマモノとして緻密に計算された会話劇で、飽きさせない怒涛の回収劇があって、めちゃくちゃ笑って客席の笑いにもつられて元気になる。

 

今年の上半期観て良かったランキング堂々1位にしようと思うよ。

 

 

 

また新しい好きの世界を見つけた。

 

好きな男たちを追っていて違う好きに出会えるんだから人生はまだまだ楽しい。

 

 

次の作品も絶対に行こうとそう心に決めたよ。

 

 

最高の週末、

最高のソワレは池袋にあった

 

 

 

今度は右折する